モード変更


ArcheAgeプレイブログ更新情報


「手指の鬼」の感想

   ↑  2020/11/28 (Sat) 20:00  カテゴリー:マンガの感想
ついったーで回ってきたアフタヌーン四季賞2020秋の準入選受賞作品が
凄まじく良かったので感想を残しておく。
感想を残そうと思ったくらい良かった。


手指の無い人間だけ食わない鬼が討伐隊につかまり、その理由を語るという内容。
これで42Pか、マジか…という完成度で、無駄がない。美しい…。

ネタバレするので追記へ。




稚児食いの習わしがある鬼の集落で、食うための人間の赤子を育てているうちに情が移ってしまい、他の鬼に食われる前に逃がした(見逃したが近い)稚児と最期に再会するというのがざっくりしたあらすじ。

鬼が完全に人外として描かれていたのが良かった。交わる余地がない。
日光に当てずに育てた稚児はマズいと鬼が言うあたり、工夫してんだな…と感心までした。


作品のキーになっているのは捨様の「そんな目」
鬼に食われる運命であることを受け入れ、それでいてなお「勝部が一番好き」という目。
食うために育てているのに好きって言われる勝部のしんどさよ。

その目が、勝部が指を食べたときに恐怖に歪み、恐ろしい鬼を見る目になった時、
初めて捨様は生きたいと思ったんだろうなぁ。
それを見て勝部は安心してぐっすり眠れたと。(なお無自覚)

そして、一番最後に、目の前の鬼が勝部だったと分かったときの目。
この捨様の目を描かなかったのもおそらく良かった。
勝部がものっすごく嬉しそうな顔で「そんな目でみるなったら」と言えばもう十分。
大ゴマで勝部が笑って、最後のページが引き絵で
1枚に喜怒哀楽入っているという流れが芸術感増している。
逆光も映画っぽいと思う理由かな。とにかく画が上手い。


桔梗の受け渡しシーンも良かった。
「いつもこの季節に咲くどこにでもある花」という桔梗を、
これを見たら自分を思い出してくれと差し出す捨様に対して、
それを捨様の髪にさして返した勝部のシーン。
捨様は死を受け入れており、
その桔梗を返した勝部は生きてくれって想い(無自覚)が言葉なしで語れるって。

このシーンで勝部が「一緒に逃げるか」と言ったら、
唯一ハッピーエンドの道がある流れだけれど、
勝部自身が自分の気持ちがよくわかってなかったからね…
捨様を逃がした後に、自分の気持ちに気づかされるこの順番も美しい…。
そして桔梗の花言葉は「永遠の愛」美しすぎる…。


最初の勝部が捕らえられたシーンで、
勝部の胸がはだけたときに捨様がなおすんだよなぁ。
ゲスく見てもいいところなのに。
勝部が女であることが分かるシーンなのだが、捨様が良い男に育ったことも分かって、
情報量多いのに絵だけで全部表現しているのがほんともう素晴らしい。

捨様が討伐隊に参加していたということは、
おそらく勝部にもう一度会える可能性の一番高い所に身を置いていたのだろう。
許さないという気持ちが大きかったと思われるが。
7歳で指喰いちぎられた鬼相手だからな。愛と憎しみは紙一重。
勝部の語りによって、慈しみ育てられた幼少期の思い出が蘇ったところで処刑になるから、
捨様から見るとバッドエンドと言えばバッドエンドなんだけど、
勝部は相当人間食ってるっぽいし、処刑エンドはやむなし。

お峰さん(勝部の槍を抜いた老女)もとても良い。
42Pしかないのにサブキャラが立ってるってどういうことなのってレベル。
お峰さんは終始勝部寄りなのだが、「食ってしまえばいいのに」と言ったあたり、
おそらく過去に慈しんで育ててしまった稚児を集落の鬼に食われたことがありそう。
捨様の回想の中で、勝部と捨様にかかっていた羽織がお峰さんのものなんだ…。尊い。


と言う感じでとにかく素晴らしかったです。お勧め!

(記事編集) https://applenapple1.blog.fc2.com/blog-entry-1142.html

2020/11/28 | Comment (0) | マンガの感想 | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

関連記事


Comment

コメントを投稿する 記事: 「手指の鬼」の感想

お気軽にコメントをどうぞ。
非公開 (管理人のみ閲覧可能なコメント) にしたい場合には、ロック にチェックを入れてください。

  任意 : 後から修正や削除ができます。
  非公開コメントとして投稿する。(管理人にのみ公開)